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大涌谷の噴火警報に思う

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箱根の大涌谷の噴火警報

銭湯・温泉マップの話題で、箱根の大涌谷の噴火警報をとりあげるはいささか強引だろうか。
まあ、温泉は、火山の多い国土の恵みのひとつであることをあらためて思ったし、それがリスクを含んでいることも忘れがちだけど覚えてなきゃいけないことなんだと考えさせられる。

危険な場所

箱根の宿、観光施設、関連する方々の風評被害を心配する声が報道されている。
那須も原発のころは閑散として、悲鳴あげていた。あの時期に、かなり多くの宿泊施設やお店が廃業したな。そんな中でも、地元の人は住み続けていた。だってここに住むしかないんだもん。

そもそも外輪山の中という危険な場所だってことを、住んでいる人も訪問する人も忘れている・・・というか気づかないことにしているように思う。彼ら箱根の人をあげつらうことが目的じゃない。だって、それって、箱根のあのエリアの人たちだけの問題じゃないのだ。

川沿いで、もし水が増えたら流されてしまいそうな場所や、崖の際で地震や大雨がくれば、いかにも災害に巻き込まれるよな場所に居を構える人ってたくさんいる。
自分の那須のぼろ小屋のある場所は、谷で川がすぐそこにある。中古で購入する時は、少々の水が増えたところでどうというほどのことはないだろうと思っていた。
が、実際に購入してから、すでに20年以上を過ごしている人の話を聞くと、あふれたことがあって、庭に敷いていた砂利を根こそぎ持っていかれたんだという。その時は建物への被害はなかったというが、異常気象の昨今、今までにない量の雨が降ることは十分考えられる。災害が起こるかもしれない場所にわざわざいるという意味では、俺も想像力の乏しい愚民の一人と言えるだろうな。

経営者

でも、危険な場所だって思い続けながら、いきていくのか?
那須、黒磯の人たちは、放射線量のことなんて日常は考えないよね、
やはり忘れたい、とりあえずは考えないことにしておきたい。
おそらく、多くの人が、形式や内容は違えど、そんな危うさのなかで生きている。

ビジネスで、消費環境や消費者嗜好が変わって、経営危機、倒産した会社があるとする。
俺はその会社に勤めて生活の糧を得ていた、得ている人には同情はすると思う。経験を生かして転職なり再就職なりをしてほしいと思う。
けれどその責任は、経営者にある。環境や嗜好を誘導するような報道やメディアやあるいは、風評なんてものがあったのかもしれないが、責任は経営者だ。
努力して変えられることと変えられないことがあるのは、どこの世界でも同じじゃないか。噴火や洪水や、あるいは人間、消費者の意識の変化は、一経営者、企業が努力して変えられるもんじゃない。変えられないことを前提に、ビジネスを組み立てるのは、誰にとってもお約束だと思う。
環境が悪い、世の中が悪い、社会が、政府が行政がどうたらだけをいうんじゃ、それこそ子供だよなぁ。行政がダメなのは前提事項だろ・・そのうえでのビジネスプランじゃないの・・・。

夢を売る商売

風評は被害だけは妙に取り上げられるんだけど、逆にそれまで風評のメリットを受けてきたんだよね。いい温泉がある、いい景色だ、緑が多く、水が豊かで、気候も過ごしやすい。そんな評判ゆえに、訪問者が多かったわけだよね。
よいとなれば、行きたくなる。逆に、問題があるとなると行きたくない。特にレジャーや観光だとね。ある意味、日常からの脱却で、その時間だけでも、日々のウサやらいろんな心配事を忘れたかったりする人もいるだろう。
きっと、ごく一部の中心以外は、まだ安全なんだろうと思う。
でも観光とかレジャーってそういうもんじゃない。安全であっても、そんなこと、可能性を思い出すのだっていやなんだよね、観光や旅行の間。楽しいこと、あるいは興味のあることだけを求めたいよね、せめてその時間の間だけは。
レジャーなり観光業って、夢を売るともいえる商売だよね。
苦境にある人こそ苦境を隠さないと、夢を売れない。

それでも

それでも俺は、何事もなく、大きな被害もなく、事が沈静化してほしいと願う。
那須や黒磯の町の宿泊施設や飲食店が廃業していくのを、横で見てきた。
俺には、何も責任は(たぶん)ないけども、そんなものを見ているのは、けして嬉しいことじゃない。