ホテル浦島・忘帰洞への行き方
ホテル浦島にある忘帰洞の最寄り駅となるのはJR紀伊勝浦駅です。紀伊勝浦駅で下車した後、那智勝浦港の桟橋へ向かって5分程歩きます。そこからホテル浦島へ向かって専用船が出ているので、それに乗ってホテル浦島まで渡りましょう。
ホテル浦島は島ではなく半島なのですが、車や徒歩で半島を進んでたどり着くことができません。この専用船でわたっていく必要があります。また、この船は浦島号という名前がついていて、イルカなのでしょうか、マスコットが船の一番前のところに設置されています。乗船時間は約5分程、桟橋からもうホテル浦島が見えています。あ~あそこなのね!というセリフがつい出て、桟橋で待っている人の気分も盛り上がります。船は朝6時45分にホテル出発が始発です。桟橋側からは朝6時50分発が始発です。その後は1時間に3本~忙しい時にはピストン運行となります。そして夜は桟橋発は22時30分がラストとなります。
車で来る場合は、東京・名古屋方面からは紀勢自動車道の尾鷲北ICで下り、一般道の42号線を約1時間15分~30分程進みます。大阪方面からは阪和自動車道を南紀田辺ICで下りて、やはり42号線を2時間50分~3時間ほど進みます。奈良方面からは国道169号線を2時間少々移動します。駐車場は宿泊のお客様用が無料でありますが、日帰りの方は町営の駐車場をどうぞとの案内でした。かなりの台数が駐車できるので、聞いてみるのもいいかもしれませんね。
忘帰洞のあれこれ
忘帰洞は和歌山県東牟婁郡那智勝浦町天満442-33です。電話番号は0735-52-1011です。ホテルなので年中無休なのですが、12月31日~1月3日のお正月と5月13日~5日、8月13日~16日は日帰り入浴は出来ない設定になっています。
今回は家族で車で行く事にしました。42号線をひたすら紀伊勝浦に向かって進みます。ちなみにこの42号線は非常に長い道路の一つで、起点が静岡県の浜松市で終点は和歌山県の和歌山市です。そして距離はなんと469.7km!日本で8番目に長い道路だそうです。
ようやく紀伊勝浦について、駐車場に車を止めて那智勝浦港まで歩いて行きます。駐車場から桟橋までは少し距離がありますが、これから温泉と思うと気持ちがうきうきしてしまいますね。
桟橋には係員がいて、このあたりに並んでくださいとしっかり案内をしてくれています。宿泊のお客様でしょうか、いわゆる団体客の方々も随分といるみたいです。5分程船に乗ってホテル浦島に到着、そしてフロントで日帰り入浴の料金を払います。大人は1000円、小人は500円、日帰り入浴の人の入浴時間は朝9時から夜19時までとなっています。館内にある6つの浴場に入れるという事で、半日以上かけて楽しむ事ができますね。入浴料金にはタオルが含まれていますのと、アメニティーはシャンプーや石鹸が浴場に設置してあります。但し忘帰洞のメインとなる洞窟風呂は、環境保護のためにアメニティー類は置いてありません。また脱衣場は鍵付きロッカーやドライヤーがあります。女性用には化粧水もありますので、手ぶらで入浴でこれますね。
それではさっそく温泉に入りに行きましょう。
帰るのも忘れる洞窟風呂
傍記洞の名前は「帰るのも忘れるほどの温泉」という事で、この地を治めていた紀伊藩主の末裔が大正時代にこの地を訪れてお湯に浸かりそう言ったそうです。当時はこのようなホテルなどはもちろんなかったでしょうから、入ってみて温泉だったと分かった時にはさぞかし驚いた事でしょう。今よりもっと鄙びた雰囲気であったでしょうし、帰りたくなくなるのも分かりますね。売店やゲーム機などがあるホテルの館内を歩いて、望帰洞の脱衣場に入りますが、レトロな感じです。洋服を脱いで籠に入れて中に入れば…お~!頭の上はまさに洞窟!天井までの高さも結構あり、何というか野趣に溢れています。手前側に洗い場がありますが、簡単に体を流す程度といった感じです。奥に向かって細長く伸びている温泉ですが、洞窟の出口の方には海が見えて、なかなか良い景色です。もちろん海には漁をする船が出ているのですが、さすがにここまでは見えないでしょう。
海に伸びている洞窟の外の方を眺めながら、まずは浴槽に体を沈めてみました。南紀勝浦には年間200万人もの人々が訪れるそうですが、その中の多くの人がこの忘帰洞の温泉に入りに来ているのでしょうね。また、ホテル浦島も一日になんと3000人ものお客様が宿泊できるという事で、その人数の多さに驚いてしまいます。日本にはたくさんの温泉がありますが、この忘帰洞は間違いなく名前が知られている温泉のベスト10に入るのではないでしょうか。泉質は硫黄泉で塩化物泉との事ですから、あまり長湯はしない方がいいらしいのですが、やっぱり長湯してしまいますよね。
しかし、洞窟の中から海の眺めを見ながら入る温泉はとても気分がいいですね。帰るのも忘れるといったお殿様の子孫の方の言う通りですね!
玄武洞もなかなかいい!
この温泉の名物でもある忘帰洞を満喫した後は、もう一つの洞窟風呂である玄武洞に向かいます。こちらも洞窟風呂ですが、忘帰洞と比べるとちょっと小ぶりの温泉です。忘帰洞はこの温泉のメイン中のメインですから結構混雑していましたが、こちらもそれなりに人が多いですね。岩の天井を見ながらお湯に入りながら周囲に耳を傾けていると、皆さん色々な地方から来ているみたいですね。近くにいたおばさまに話しかけられた私と妹、そして母も、どういうルートで来たのかという事を聞かれて、ついついあれこれ話してしまいました。
最近はやりのスーパー銭湯とは違って大きな浴槽がバーンとあるだけなので、お湯に浸かる以外には何もする事がないのです。というよりそれが本来の温泉の入り方だったのですよね。スーパー銭湯のあれこれある湯船も楽しいですが、たまにはただひたすらぼーっと湯船にのんびりと入ってぺちゃくちゃおしゃべりというのもいいですね!
ハマユウの湯で体を洗おう!
忘帰洞と玄武洞でゆっくりお湯に浸かったので、今度は本館にあるハマユウの湯に向かいます。この本館には女性はハマユウの湯、男性は滝の湯があります。脱衣場に入ると先ほどの洞窟風呂と比べるとずっと小さく感じますが、中の浴場も小ぶりなものとなっています。
忘帰洞は環境保護のためにシャンプーなどは使用できないとの事でしたが、こちらは大丈夫なので髪や体を洗う事にしました。カランの数もそれほど多くはありませんが、やはり忘帰洞などに人気が集中しているのでしょうか、人はまばらで洗い場もすいています。体を洗って四角いハマユウの湯に入りながら、忘帰洞などの洞窟風呂とはまた違った良さを楽しみました。
その後は、せっかくだからと山上館の天海の湯や遥峰の湯にも入りに行きます。長いエスカレーターを上がって行くと山上館に到着し、高台にある浴場を楽しみました。高い場所にあるせいか、外の光が入る造りになっていて海も見えるので、浴場内も結構明るい府に気です。洞窟風呂とはまた違った良さがあり、ここでも長居をしてしまいました。
最後に下に降りて、まだ入っていなかった内湯の磯の湯に向かいます。ここはハマユウの湯と同じような感じですが、こちらの方が大きくお湯も透明で今まで入ってきた白濁とした温泉とは違います。このホテル浦島の温泉は一種類ではなくいくつかの源泉があるそうで、そのためこういったお湯の違いがあるのでしょうね。
お風呂から出て家族で合流すると、温泉に入り疲れたのか小さな甥っ子が「おんせんもうやだ~」とべそをかいています。そんな甥っ子の様子がおかしく皆で大笑いしながら、忘帰洞を後にしたのでした。
あまりにも有名な洞窟風呂、いつかぜひ一風呂入りに行ってみて下さいね!