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大学湯事件

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タグ: 銭湯 京都府

今存在する大学湯

この銭湯温泉日帰り立ち寄りマップは、管理人自身も認めてしまうが、データーには抜け落ちが多い。管理人が興味、関心、旅行予定のエリアを重点を置いて調べて作っているためで、まあおいおい揃ってくるだろうとは思う。
その範囲でいえば、大学湯という名前の銭湯は、北海道札幌市東区の大学湯くらいである。でも、今回話題にする大学湯とは違うと思う。

大学湯事件の概要

Xさんの先代であるAさん。Y1さんが所有する湯屋の建物(銭湯)を借りて、「大学湯」の名前で営業をしていた。銭湯の建物を借りて営業するという形態が今の銭湯で存在するのかどうかわからないが、当時は、そんなこともあったのだろう。
ところで、日本の銭湯には湯屋と風呂の二つの形があったというのだが、まず湯屋は湯舟に満たされた湯の中に身を沈める形。銭湯のイメージでよさそうだ。で、風呂は湯気に身を包む蒸し風呂の形式だったという。蒸し風呂、今でいえばサウナかなぁ、これは密室が必要で、多数の客を入れることができないため、次第に湯屋が主流を占めるようになったんだという。
大学湯の判決とかみると、湯屋という表現だから銭湯を考えておいていいんだろうな。
Aさんが亡くなって、Xさんが相続することになった。借りるというのも権利だから、その権利もXさんは相続した。でも銭湯をする気はなかったようで、Y1さんとの賃貸契約を合意して解除することになった。
そこでY1さんは、Y2さんに建物を貸すことにして、Y2さんは「大学湯」の名称で営業を続けた。

ところが、Xさんの主張によると、AさんとY1さんの間で建物を借りる時に「大学湯」の名称の代金(ノレン代)を払っている。ノレンは賃貸契約の終了の時に、Y1が買い取るかAが他に売却できる特約があったという。
裁判の結果だが、1審、2審では、老舗(ノレン)は権利ではない、認めない。権利として確立していないから、不法行為にあたらないとした。それまでの民法の判例では、「権利の侵害」を不法行為の要件としていたからだ。
しかし、大審院(今でいえば最高裁)は、民法792条を広く解釈し、差し戻した、不法行為の要件を権利の侵害ではなく、違法性であるとしたのだ。その意味で非常に画期的な判決だとされている。
もっとも差し戻しの裁判では、賃貸の契約を解除の時点で、大学湯の老舗(ノレン)は、一度消滅したとしたのだが。
これがキッカケ

大学湯はどこ?

管理人は、民法の授業でw この大学湯の事件を知ったのだが、どこの大学湯なのか、今、まだ存在しているのかわからない。もし、まだあるようなら、銭湯温泉日帰り入浴マップの管理人としては、ぜひ入浴してこようと思ったのだが・・・。
調べてみると、K大学のそばの大学湯という表現をみつけた。しかしK大学ってどこよ。これイニシャルにする意味あるのか?

さて、ようやくそれらしいヒントは、大審院の判決集だ。これに、1審、2審の場所があった。一審判決は、京都地判 大正13・3・17 、二審判決は大阪控判 大正14・3・27、差戻控訴審は、大阪控判 大正 15・11・16とある。
1審の場所で考えれば、おそらく京都のことで、K大学は 京都なのかな?

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